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2025.09.04

健康診断で便潜血陽性となった方へ

院長の安藤です。残暑厳しい9月ではありますが、みなさん体調は崩されていませんか?
僕は室内にいることが多いため、時々外に出ると暑さで滅入ってしまいます。

さて今回は健康診断で皆さんがよく受けられる『便潜血検査』について、少し長いですが書かせて頂きます。

・便潜血検査は見えないサインに気づくための検査
健康診断やがん検診の結果用紙に「便潜血陽性」と記載されていた経験をお持ちの方はいらっしゃるでしょうか。何となく気になるものの、痛みも不調も感じていないから精密検査を受けるほどのことではないと、そう思って見過ごしてはいないでしょうか。
便潜血陽性は“見えない出血”のサインとなります。出血は時に命に関わる病気のサインでもある可能性があります。便潜血陽性は、目に見えない少量の血液が便に混じっている状態を指し、消化管、とくに大腸からの出血が原因であることが少なくありません。
便潜血陽性のご相談

・便潜血陽性とは
健康診断で行われる便潜血検査は、便に微量な血液が含まれていないかどうかを調べるスクリーニング検査です。便の表面に明らかな血が混じっていなくても、目には見えないごく少量の出血が存在していることがあります。こうした微小な出血を検出するのが便潜血検査の目的となります。便潜血検査が陽性であるということは、「消化管、とくに大腸のどこかで出血している可能性がある」という意味を持ちます。便潜血陽性の方は、大腸がんや大腸ポリープ、潰瘍、炎症性腸疾患などが原因となって出血しているケースもあります。これらの病気の多くは、初期には自覚症状が乏しく、便潜血検査が最初の発見のきっかけになることも珍しくありません。

・便潜血陽性になったとき、まず何をすべきか
便潜血陽性の結果を受け取ったときは放置することなく医師に相談をしましょう。便潜血検査はあくまで「精密検査が必要かどうかを判断するための予備的な検査」です。そのため、陽性だからといってすぐに深刻な病気が見つかるわけではありません。しかし、「陽性であったのに何もしなかった」という行動が、将来的に大きなリスクを招くこともあります。そのため、便潜血陽性の方は放置することなくまずは医師に相談するようにしましょう。
便潜血専門外来のご予約

・精密検査の中心となる大腸カメラとは
便潜血陽性の方に最も推奨される精密検査が、大腸カメラ(下部消化管内視鏡)検査となります。大腸カメラ検査では、肛門からスコープを挿入し、大腸全体をリアルタイムで観察する検査となります。大腸がんやポリープ、炎症などを直接確認できるため、精度の高い診断が可能となります。また、大腸ポリープが見つかった場合には、検査中にそのまま切除することも可能となります。当院では、鎮静剤の使用によって痛みや不快感を最小限に抑えることも可能となっており、以前よりも格段に受けやすい大腸カメラ検査となっています。

・「大丈夫だろう」と放置していませんか?
便潜血陽性の結果を受けたにもかかわらず、「きっと痔だろう」「検査で陽性が出ることもあると聞いたから」と放置してしまう方も少なくありません。しかし、こうした油断は時に取り返しのつかない結果を招くことがあります。特に大腸がんは、早期のうちに発見できれば内視鏡治療だけで完治が見込めるケースも多く、命に関わることはほとんどありません。しかし、発見が遅れれば外科手術や化学療法が必要になることもあり、治療の負担も大きくなります。便潜血検査は「症状が出る前の異常」を察知するためのものです。症状がないからこそ、検査に意味があります。
当院の大腸カメラ検査

・便潜血専門外来にお気軽にご相談ください
便潜血検査の結果に不安を感じながらも、検査や相談の機会を逃してきた方にとって、「便潜血専門外来」は非常に有効な選択肢となります。受診に際しては、健康診断の結果票を持参し、これまでの症状や既往歴を伝えて頂くだけで問題ございません。「忙しいから」「怖いから」「様子を見たいから」といった理由で検査を先延ばしにしてしまうのではなく、少しの勇気をもって受診することで、未来の自分の健康を守ることにつながるかもしれません。もし健康診断の結果に「便潜血陽性」の文字があったのなら、まずは一度、当院外来をご予約ください。
当院外来のご予約