膵のう胞

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膵のう胞とは?

膵のう胞とは膵臓にできた液体が溜まった袋状のものをいいます。最近は人間ドックや健康診断の普及ならびに画像診断の進歩によって、無症状の膵のう胞が偶然発見される機会も多くなっており決してめずらしい病気ではありません。
膵のう胞の原因には様々な病気があり、大きく腫瘍性と非腫瘍性の二つに分けられます。

腫瘍性膵のう胞 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
漿液性のう胞腫瘍(SCN)
粘液性のう胞腫瘍(MCN)
充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)
膵神経内分泌腫瘍(P-NET)ののう胞変性
非腫瘍性膵のう胞 特発性膵のう胞
貯留のう胞
仮性膵のう胞
類上皮のう胞
リンパ上皮のう胞

膵のう胞が見つかったらどうすればいい?

膵のう胞の中には直ちに手術を検討すべきものから経過観察してよいものまで様々なものがあります。例えば、粘液性のう胞性腫瘍(MCN)・膵神経内分泌腫瘍(P-NET)・充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)は原則手術適応となっています。
一方で膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は腫瘍性の中で最も頻度が高いのう胞ですが、その進行は非常にゆっくりのためほとんどの場合症状はなく、しかも良性であることが多いため経過観察することが一般的なのう胞です。
こうした手術を考慮しなければいけないのう胞と、経過観察としてよいのう胞を適切に振り分けることが重要となってきます。膵のう胞の状態や患者さまのお身体の状態に合わせて、各種検査を組み合わせながら診断を進めていきます。

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

偶然発見される膵のう胞の中で最も多いとされています。
ほとんどの方に自覚症状は見られませんが、腫瘍によって産生される粘液によって膵液がうっ滞し腹痛や背部痛といった膵炎症状がみられることがまれにあります。
高齢の男性にやや多く、膵臓の中に多発することもしばしばあります。
多くは良性であるため、経過観察となることが多いのう胞の一つです。
ただ経過中に一部のIPMNは年3%の確率で悪性化することが報告されています。また最近になり年平均4.4%の確率でのう胞とは別に膵臓がんが発生することが分かってきました。
一般人口では膵臓がんの頻度が0.01%程度であることを考えると非常にリスクが高いといえます。そういった意味からもIPMNが認められた場合は、慎重な経過観察が重要になります。

粘液性のう胞腫瘍(MCN)

若中年女性の膵体尾部(膵臓の左側)に好発する類円形ののう胞性腫瘍で、無症状で大きくなってから発見されることが多いです。
悪性腫瘍とされているため、MCNと診断がつけば原則手術適応とされています。ただ最近の報告では、悪性化率は低いことが判明しています。

漿液性のう胞腫瘍(SCN)

SCNも比較的よく見られるのう胞で、女性に多く、60歳前後が好発年齢とされています。
ただ、SCNの悪性化はほとんどなく、MCNと異なり経過観察が原則とされています。
まれに腫瘍が大きくなり周辺の臓器を圧迫するなど、二次的な症状が出た場合は手術が選択されます。

仮性のう胞

仮性のう胞は、急性膵炎・慢性膵炎・膵外傷などによって、膵管が破綻し膵液が漏れてしまうことで引き起こされるのう胞です。
小さな膵管が破綻してできたものであれば、いずれ吸収されますが、太い膵管(主膵管といいます)が破綻した場合は自然吸収される確率は低くなります。
それでも無症状であれば経過観察が選択されることが一般的です。のう胞に感染がみられる場合や周辺の臓器を圧迫するなどの症状がある場合は、治療適応とされています。

膵のう胞と診断されたら

嚢胞性疾患と診断されたら膵のう胞性疾患は良性のものから悪性のものまであるため、早い段階で正確な診断を受けることが重要となります。膵のう胞性疾患と診断を受けられた方は、それぞれののう胞に対する診療方針に沿って、適切な診療・治療を受けていきましょう。

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