皆さん、当院受付横の壁に内視鏡のディスプレイがあることをご存じですか?
これまで内視鏡検査を受けたことがない方や内視鏡検査を受けようか迷っている方に、内視鏡がどういった器械なのか?実際の太さはどうなのか?等の視覚的な不安を少しでも軽くしてもらいたくディスプレイさせて頂きました。わからない不安の為に内視鏡検査を先延ばしすることなく少しでも身近に感じて頂くことで、内視鏡検査のすそ野が広がればうれしいです。もちろんこの大腸内視鏡は現在当院で使用している内視鏡の数世代前のタイプなので、実際の内視鏡はもっと細くなっています。
それに実はこの大腸内視鏡はちょうど僕が消化器内科医として“駆け出し”の頃に使用していた思い入れの強い内視鏡なんです。当時の内視鏡は今のような「受動湾曲」「高伝達挿入部」「硬度可変」といった高度な内視鏡技術が搭載されていないため、検査の精度はもちろん挿入時の苦痛も医師の技術に大きく左右されていました。そのため検査自体に時間がかかったり、検査終了後に患者さんからお小言を頂くことも少なくありませんでした。それが悔しくて成書を読んだり、指導医の後ろから技術を盗んだり、検査前日にイメージトレーニングしたりして現在の自分のスタイルを作り上げてきました。
『初心忘るべからず』、今でもこの大腸内視鏡を見るとあの頃の熱く謙虚な気持ちが思い出されます。
皆さんも当院にいらした際は、この思いのこもった内視鏡をぜひご覧ください。