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2025.05.20

診療情報の大切さ

こんにちは、院長の安藤です。

当院も先日で開院6年目に入り、羽島郡だけでなく岐阜市や各務原市、さらに遠方の県外からも来院いただくことが増えてきました。当院にはいろんな患者さんが来院されます。糖尿病などの基礎疾患のある方、がんの既往がある方など。その中で時々感じるのが「紹介状」の重要性です。

そこで今日は少し、医療者の立場から見た紹介状というものについてお話してみたいと思います。

紹介状とは、正式名称「診療情報提供書」の名の通り、医師が他医療機関の医師に患者を紹介するときに、患者の基本情報や症状、治療、投薬の経過などを記載したものです。

これは検査希望だけでなく転院の際でも非常に重要な診療情報となります。特に当院が初診の場合、その方がこれまでどういった経緯でどのような治療歴があって、その反応がどうだったかの診療経過が大事になります。医療者の行う薬の処方や治療とは漫然と行われるものではなく、その過程自体にも意味があることがほとんどです。紹介状によって前医がどのような意図をもって治療や検査を行っていたかを把握することができます。

また、お薬手帳も万能ではなく、貼り忘れや患者さん自身が薬について把握できていこともよくあるため同じ薬を処方する危険性があったり、当院での血液検査で異常値が出ても、実は前医の採血結果と比較すると以前と大きく変わっていないなどなど、これまで僕も肝を冷やした経験がいくつもあります。

特に糖尿病や慢性腎機能障害などの慢性疾患は、これまでの採血結果や投薬内容が非常に重要なため、「紹介状」はその患者さんのこれまでの診療経過を医師が正確かつ詳細に書いたカルテのようなものなので、その患者さんにとっても自分のこれまでの経過を過不足なく伝えるのに大事な手段となります。

当院でも総合病院での手術や治療が必要な場合はもちろん、患者さんが転院希望の場合でも、その方の初診時からのカルテを見直して、当院での診療経過を書き、さらに採血結果と胃カメラや大腸カメラのレポート全てを同封してお渡ししています。必要であればお書きしますので、遠慮なく申し出てくださいね。